ル・ボナーの一日

「エルメス」勝手に研究 

2021年10月03日

ボンジョルノが現在尚唯一無二刺激を受ける皮革製品ブランドは「エルメス」。庶民にはとんでもなく高価で買えないけれど、中古品ならバーキンなどの人気銘柄以外であれば新古品でも正規販売価格の半分かそれ以下ぐらいで入手出来たりする。ただそこまでして欲しいかとと言えばひとそれぞれですが、同業者から見た時最敬礼させられるエルメス製品と出会えるチャンスではある。ただ言っておきます、エルメス皮革製品でもピンキリで、手抜いてもブランドの名声を使った利益追求製品もありますのでご用心を。

でも驚かされる製品も多く現在でも出ている。そんな製品のご紹介。

まずはこのスティーブミーティング。これは外ポケットが付いたブリーフケース。びっくりするのは使っている革の量、見た目だと100デシ前後ほどと予想するが実はその2,5倍ほど使ってるのではないか、つまりカーフ1頭分。

前後に付いている外ポケットの裏も表と同じトリヨンクレマンス、加えて内側の大きなポケットもカブセも裏表トリオンクレマンス。本体内装だってマチ裏はトリヨンクレマンス。本体裏両側が生地なのが革にするより適正と判断して選んでいるだけと感じる贅沢さ。

エルメス以外のブランドでこの贅沢な革使いを許される鞄メーカーはない。この贅沢さ故に鞄は見た目の倍重い。でも倍の重さも贅沢に感じる勘違いをエルメスのバッグだけは嘘なく演じてしまう。エルメスで人気のブリーフケース・サックアデペッシュと同価格ぐらいで国内販売されたらしい、職人目から見てこのブリーフケースの方が数倍贅沢に思える。

そして次のカレーシュエクスプレスブリーフ。

トワル生地とオイリーな革のコンビブリーフ。エルエスは生地とのコンビでもオール革でも価格はあまり変わらない。でも中古市場だと生地コンビだと安くなる。ただトアル生地は魅力的でさり気なさが素敵なエルメスバッグです。

同コンビのキャリーケースのハンドルで止められる仕様。

ファスナー終わりのこの仕様の繊細さに驚かされる。

見える内ポケットも革2枚貼り。ハンドルの付け根は手縫い、ステッチが左上がりが手縫いで右上がりが機械縫いです。画像をズームしてハンドルの部分をアップで見るとどこまでが手縫いでどこからミシンなのか分かるよ。負荷のかかる部分やミシンでは縫いにくい部分は手縫いで、負荷のかからない部分はミシン縫い。そのミシン縫いがエルメスは美しい。

このバッグのファスナー口裏には2つ折りにした革で贅沢に全周カバーされている。HERMESの刻印の入ってる部分。

私達には出来ない事をエルメスはしてしまう。私達だと販売価格を考えると出来ない仕様でバッグを作ったりするエルメスの革製品は多くの刺激を感じさせてくれる。私達は大いに刺激を受けながら市場との折り合いを考慮して作り続けるのであります。今回の2点のブリーフケースはボンジョルノ所有では無いのですよ、中古品でも私には高価でとんでもございません。

Le Bonheur (11:42) | コメント(0)

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