ル・ボナーの一日
サライ商事に行ってきました
2008年01月26日
東京出張の時、サライ商事に寄りました。
ヨーロッパの高級輸入皮革と言えば浅草今戸のサライさん。私もこの革屋さんとは長ぁ~いお付き合いになります。私の担当は常務さんなのですが、この人態度と体格はでかいお人ではありますが、革への愛情は商売抜きで強く持っている。電話でいつも無理難題を言いながら、長い付き合いになりました。
私は革を診る時、まず丸く巻いている革の端を指先で触って感触を確かめる。この作業で9割方私好みの革なのかは決定する。それから広げて盤面の良し悪しで選別します。
山のように積まれた雑多な革の中から、良い革を見つけ出す選別力において、私は相当自信があります(30年も革でカバン作っていたら当たり前か)。
今回、私の指先に適った革がこれ。良い時代のイタリア・フラスキーニ社のカーフの型押しのスプリング・ボックスという革。型押ししているのにねっとりしっとりイタリアンクロームカーフです。
ヨーロッパの大手ブランドの言いなりになって顔料バリバリの革を作るようになった現在のフラスキーニ社の革には全然魅力は感じないけれど、10年ほど前までのフラスキの作る革は本当に良かった。
この革はそんな時代のフラスキの革です。サライさんの倉庫の奥に眠っていたこの革、使い道は後で考えるとして、ヨーロッパ上質革コレクターの私は手に入れないわけにはいかない。
あとフラスキのウエストンという革も。フラスキのボックスカーフ調の革。ボックスカーフですからねっとりはしていないけれど、他のタンナーのボックスカーフと違ってしっとりしてる。色も薄いワイン色は独特。
サライさんには本当に面白い革が隠れている。ヨーロッパのタンナーが一同に集まるリニアペッレで革を物色するより、サライ商事の棚の隅々まで見て回る方が良い革が見つけやすいのではと思う。
ヨーロッパでも9割以上面白くない革ばかり、1割弱の良い革はサライさんの棚に揃っているのではと思う。
定番の製品では使っていなくて使う予定がなくても、良い革だと思うと買ってしまう私であります。
Le Bonheur (09:54) | コメント(2)
Comments
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たなか さん
私が良いと思うクロームなめしの革を作るタンナーは、ドイツ・ペリンガー社だと思っています。シュランケンカーフ以外にも色々仕入れて欲しいとサライさんにお願いしています。実現可能な手ごたえを感じています。
久しぶりの大好きな革の記事ですね。
やっぱり、素材にこだわれるとっても素敵な事だと思います。
そのお二人が選ばれた革だからこそ、
良いバッグが出来て、そのバッグを安心して欲しいと思えるのではないかあ。
ブログで上質(もちろんブッテーロも、ミネルバリスシオ、ミネルバボックス、シュランケンカーフを含めて)革に記事を見るとなんだかワクワクします。
今度私のブログにトーブ色の空の記事をアップしようと思っています。