ル・ボナーの一日
アイデンティティー
2007年08月18日
古い時計は非防水で衝撃にも無防備です。コンピューターもなかったので、職人の技術と経験が頼りです。しかし使う人の思い入れに比例した古時計は100年の時を越えて現在も存在しています。
私はそういったモノが好きです。一生を共に過ごしてゆきたい。仕事中はいつもこのウォルサムの懐中時計。100年時を刻み続けています。
結局人は限られた人生の時間を、いかに充実した時として過ごすかに尽きると思うのです。
人がなんと思おうが自身納得し楽しければそれが最高。モノを購入する時だって、面白くて楽しくなければその時間がもったいない。思い入れいっぱいで購入するモノは、値段とは関係なくその後大事にするしその後の思い出の1シーンに参加することになる。
ここのところ年齢と共に時間のスピードが日増しに速くなっていると感じる。
これからの人生、時間を無駄遣いするともったいない。あと30年我儘に充実した時を送ってゆきたいと思う。途中で終わっても後悔しないよう。
人の人生、50歳までは予行演習50歳から本番と言っていた友達がいました。
50歳からの本番は個々のアイデンティティーを表現するモノをチョイスして武装することとで、より豊かな時間を過ごせるのではないかと思う私であります(屁理屈)。なくても困らないけれど、あれば楽しい。
私は名声やお金より楽しい時間を選びます。楽しいモノを選びます。自身のアイデンティティーに沿って。
私は今日も鞄を作り続けています。私にとってこれからも鞄作りに一番多くの時間を使うでしょう。
その時間が一番大事。楽しく充実したものでなければもったいない。これからもっと我儘に鞄作りしていきます。
私のアイデンティティーの最大の表現方法がル・ボナーのカバンたちです。
お気に入りのモノたち(ウォルサムの懐中時計、TAKUYAのペンケースに入ったKENSAKI万年筆、ダンヒルのオイルライター、カザールのメガネ)で武装?して鞄を作っています。
実際よく使う万年筆はシェーファーのタルガで、フルハルターの森山さんのところに調整にまだ持ち込めていないKENSAKIはまだお飾り状態。
時計も外出時にはSTOWAのアンテアかセイコーのロードマーベルを付けて出かけるので、ウォルサムの懐中時計はあまり時間を確認することのない仕事中の安心グッズ?。それでもなくてはならない私の仕事中のアイテムとなっています。
あれ、アルファの赤いキーが目立っています。これもビーちゃんの鍵と一緒に、仕事中もベルトキーホルダーで腰からいつもぶら下げております。ないと落ち着かなく思うようになってしまいました。
50歳を過ぎたランドセルを背負ったオヤジは、日本の慎ましやかなアイデンティティーの表現に憧れを持ちつつ、恥ずかしくなるほど自己主張している。かっこ悪いけれど、それが私。まあいいかぁ~。
アイデンティティー(主体性)と言う言葉はこれからの私の人生にとって需要なキーワードであります。
Le Bonheur (21:22) | コメント(6)
Comments
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めだかさん
支離滅裂な文章にコメントありがとうございます。モノはそんなになくてもいいのだけれど、モノは幸せを膨らませてくれます。
ここのところ気になる万年筆はアウロラのレッド、それにアンティークのペリカン。興味はつきません。困った、困った。 -
時間のスピードと年齢は
時間、日、週、月、年
が束になって飛んでいく状態ではかると何かの本で読んだことがあります。
時間が束で飛んでいくのが子供とすると、さしずめ会長さんは「年が束で飛んでいく」ですかね?
夏風邪をこじらせていて、ひさしぶりの応答ですが、いつもブログよんでます。 -
takaさん
怖い、怖い。時間を思う存分楽しまなければ。
ブログを読んでもらっているのなら、会員のダンディーtakaさんは10年前のアルファのスパイダーで決まりでぇ~す。あの頃のV型エンジンはカラヤンが木管楽器の音色のようだと賞賛したエキゾストノートを奏でます。是非奥様と泥沼友の会へ。新車のアルファでは泥沼は楽しめません。
一緒に上辺を彷徨いましょう。泥沼セールスマンより。 -
ウォルサムの懐中時計はさすがにいいですね。ノスタルジックを絵にかいたようです。
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orengeさん
時計をつけたまま仕事をしていると制作中の革鞄を傷つける恐れがあるため、懐中時計はいいのであります。18金のケースに入ったこの懐中時計は神経質な機械ですが、気心が通う時計修理職人さんと知り合うことができたので安心して仕事中の私の胸ポケットに納まっております。
う~ん、至福の時がこちらまで伝わってきました。
これが明日への活力なのですね。
お気に入りのモノ達。可愛くも自己主張して、いつまでも存在感を放つ。いいなあ。