ル・ボナーの一日

黙々と仕事をする日々

2007年07月09日

%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89.JPG 私は多くの人たちに勘違いされているようであります。万年筆と時計にうつつを抜かして仕事もせずにブログを書いていると思われております。それは大きな勘違いであります。 万年筆と時計が好きであることは認めます。しかしそれは可愛い趣味の領域で、許容範囲であると思っております?。ブログにしても睡眠時間を削って家族のみんなが寝静まった夜や、早朝に自宅で書いている訳で、仕事をおろそかにしている訳ではないのであります。私は日々忙しく鞄つくりに精を出しているのであります。 今日もオーダーのセカンドバッグを作っておりました。あと取り外しができる持ち手を作れば完成です。 シュランケンカーフのジーンブルーで作ったこのセカンドバッグは、注文されたお客様の希望どうりに出来上がったのではと思っております。 %E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B3.JPG 次に控えるオーダー品はこのナイル産のラージ・クロコでの注文であります。 普通の革は10㎝四方を1デシという単位で売買されるのですが、クロコはお腹の一番広い幅を測って1㎝の値段で決めます。今回買ったクロコは50センチのビッグサイズで、相当に高価であります。1cmあたり数千円しまぁ~す、×50がこのクロコ1枚の値段です。革の中では昔から一番高価な革ですが、ここのところ前にもまして値段が高騰しています。 この大きさになるまでに5~6年はかかります。暴れん坊のワニは長い年月生きていれば傷のない革も比例して少なくなります。クロコは実際に見て買ってこないといけません。それが主な目的の東京出張でした。 貴重品革での製作はオーダー以外ではあまり作りません。哺乳類のなめし具合はよく理解している方なので、貴重品革でも象革は好んで使う方ですが、クロコはよくわからない。ただ表皮は驚くほど頑強な革です。割漉きをする時特に緊張する革です。今回はこの革を手縫いで仕上げるカバンです。 何を作るかは出来てからのお楽しみ。製作過程は出来上がってから詳細を報告しまぁ~す。 と言いながらおしゃべりな私は「KENSAKI専用グリマルディー」の中で何を作るか書いていたぁ~。 %E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3.JPG クロコのオーダー鞄を作るとき同じ形をあと一つ作ります。イタリア・フラスキーニ社のデッドストック革のムスタングのボルドー色で作ります。この革は素晴らしいクローム革です。現在ではまずお目にかかることができないイタリアンねっとりクローム革であります。この革で作った鞄は出来上がったらお店に展示しておきます。浅草のバッグ博物館にあるイタリア名人鞄職人が作った鞄のような仕上がりをめざして頑張りまぁ~す。 それにしてもこの革は良い。先祖代々ピット槽のクローム液を交換することなく、継ぎ足し継ぎ足しうなぎの秘伝のタレのような製法でなめしたフラスキーニ独特のねっとりなめしのクローム革は今はデッドストックのみ。良い鞄に仕上げないともったいない。 私は黙々と仕事をこなしております。本当です、皆さん信じてくださぁ~い。

Le Bonheur (22:20) | コメント(7)

Comments

  1. たか より:

    もちろん信じています。
    私も会社から帰って今頃コメントしているのと同じですね。

  2. ル・ボナー松本 より:

    たかさん
    仕事中は腕時計ははずして、100年前のウォルサムの懐中時計を携帯して鞄作っております。好きなモノたちで武装すると、良い仕事が出来るように思いまぁ~す。当然TAKUYA君に作ってもらったペンケースに納まったKENSAKIもお守りのようにさげております。

  3. orenge より:

    このセカンドバッグは存在感がありますね。デザインもいいです。ナイルクロコのモノは毎日愛用してます。ただし,自分のはホーンバックです。腹割りもこれだけ大きいと迫力ありますね。斑がきれいにそろっていて高級感がありますね。作品になるとさぞやスゴイいんでしょう。ムスタングのボルドー色はこれまたいいですね。ねっとり感が伝わってきます。触れたくなります。いい革は語りかけてきます。

  4. ル・ボナー松本 より:

    orenge さん
    革の良さを伝えれるような鞄を作ってゆきたいと思っています。クロコとカーフ革は全然違う革なので手縫いの菱切りもステッチの絞り具合も違ってきます。その塩梅を楽しみながら作ってゆきます。コバ磨きは両方とも染料の蜜蠟仕上げでいけそうです。いい艶がでそうです。

  5. orenge より:

    クロコまで染料の蜜蝋仕上げとは贅沢の極みですね。素材といい仕立てといい申し分がないですね。2つの異素材の作品はポスターにも使えそうですね。見た人はきっと驚くことでしょう。

  6. Taka より:

    信じますとも。
    私も、仕事中にこのブログを覗くことはあっても仕事はちゃんとやってますもの。
    2番目のデッドストック革、本当に魅力的ですね、今度みせてください。泥沼心を刺激してます。
    ちなみに、この間いただいたフェルディは、家人がいたく気に入ったようで、出かけるたびに持ちだしています。ハミさんのお仕事に感謝!!

  7. ル・ボナー松本 より:

    Taka さん
    今日は週に一度の休日。蒸し暑い中神戸街中散策。またまた今日も水谷時計修理工房にも行ってきました。
    是非次回来店時には珠玉のイタリアンカーフを見てください。奥様フェルディを喜んで使っていただいて、私たちも嬉しいです。

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