ル・ボナーの一日
ヨーロッパ皮革大幅値上げ。
2007年04月14日
お待たせしていたオーダーのボストンバッグがもう少しで完成です。あと在庫がなかったショルダーに使う金具が届けば出来上がりです。この鞄に使っているフランス、デュ・プイ社のロダニールという革は本当に素晴らしい革です。ここのところデュ・プイの作る革には失望することが多かったのですが、この革は良い。その質感をうまく引き出せたボストンバッグに仕上がったと思います。
ヨーロッパの革は昔に比べて全体の質は落ちたとは言え、探せばまだまだ良い革はあります。
皮革のレベルは現在でも最高の地域です。私達はこれからもヨーロッパ皮革の中から、良いモノを探し出して使い続けます。
そのヨーロッパ皮革が大幅値上げです。
私達がヨーロッパ皮革の多くを頼んでいるサライ商事の常務から連絡です。ユーロ高の影響でヨーロッパ皮革が高くなっていて、いつか下がると信じて値上げを最小限に今まで抑えてきたのだけれど、もう限界。大幅アップを宣言する電話でありました。
これは大変なことです。多くの大手問屋はここまで値上がると、今まで一部使っていたヨーロッパ皮革を使った製品も、国内皮革に変更せざるおえないのではないでしょうか。
ル・ボナーでも、今までの小幅な値上げは我慢して利益を削って含み込んでおりましたが、今回の大幅値上げにはギブアップ。製品の値上げに踏み切らないとやっていけない。
現在ある在庫は現状の値段でお売りしますが、この後新しく作る製品は値上がりしま~す。
ル・ボナーの製品を買ってくださるお客様の皆さん、ご理解くださいませ。
私は革好きです。だからヨーロッパ皮革から国内皮革ないしは他の地域の革に変更して作るなんてことは絶対できません(良い革があれば別ですが)。この値上がりを機に、ヨーロッパ皮革のブランド力だけでで売るような鞄は淘汰されていくような気もします。私も気を引き締めてヨーロッパ皮革で作るカバンたちを生み出していかなければ。
輸出に頼る日本経済は、現在の円安状態は多くの人に幸せを運んでくるでしょう。私たちのような輸入皮革を使って作って、国内で売っている者たちには試練の時です。
でも、なんとかなるだろうと思っている私であります。
Le Bonheur (05:47) | コメント(6)
Comments
-
orenge さん
定番のこのタイプのボストンバッグに比べ、今回はオーダーだったので贅沢に仕上げました。
ショルダーは生地テープではなく革の二枚貼りにしましたし、内貼りはナイロン生地ではなくて緑のピッグスキンを使い、手縫いを多用した縫製をしました。良い感じに出来上がったと思っています。 -
大切に創っていただきありがとうございます。
今から手元に届く日を、わくわくして待っています。
私にとってル・ボナーさんのバッグは無くてはならないもになっています。
いつもサントスか、黒のセカンドかどれかが自分と共に時間を共有しています。
そのうえ出張や研修用の、ビジィーに、今回のボストン。小銭入れに、名刺入れ。
とても豊かな満足感があります。
これからも宜しくお願いします。 -
たなかさん
大変お待たせしました。手をかけてしまったので、お高くなってしまいましたがお許し下さい。実物は間違いなく写真より良くできていますよ。
この後もたなかさんのご注文は一杯残しておりますが、待っていてください。丁寧に作っていきますから。 -
今日夢と想い出がいっぱい入るボストンバッグが届きました。
大切に創っていただいたのが本当に感じられるバッグです。
ただお手入れの仕方を教わっていなくては。
よかったらご指導ください。 -
たなかさん
気に入っていただいて嬉しくおもいます。お手入れは基本的には他のたなかさんがお持ちのル・ボナーのカバンと同じように水拭きがいいと思います。それとロダニールの場合はデリケートクリームを時々塗ってあげるといいと思います。過度に手入れはしないでください。ゆっくり成長する革です。
ボストンバッグの佇まいがステキです。「由緒正しき」という言葉をバッグで表現するとこのようになるのでしょうね。この作品を使いたいがために旅行にゆくことになりそうですね。そう思わせるバッグは,なかなかありません。付加価値が大きいですね。