ル・ボナーの一日
ロダニールという革で作るボストンバッグ
2007年04月09日
ずーっと待っていただいていたボストンバッグを作っています。
このタイプのボストンバッグは5年ほど前までよく作っていた形のボストンバッグで、その頃はバタラッシー社のミネルバリスシオを使って作っていたカジュアルなボストンバッグです。
今回も最初は久しぶりにお店にも並べようと、まとめ作りをする予定だったのですが、オーダー品の製作が遅れに遅れたため、注文の品一点だけの製作です。
今回はお客様の希望もあり、デュ・プイ社のロダニールで作ります。デュ・プイの革では久しぶりに大変気に入って少量分けてもらった革で、このボストンバッグを作るとあとは修理のための半端の革が残るのみとなります。私のヨーロッパ皮革のコレクション棚に眠ることなく、使い切ることになりました。指先にロダニールのしっとりとした感触は残りつづけます。
お気に入りのロダニールで作る最後のカバンです。よいカバンに仕上げないと可哀相です。お父さんが裁断するとケチるからと、裁断はハミが中央からの超贅沢裁断。
丁寧な染料磨きに強度のかかる部分は手縫いで仕上げる特別仕様。カジュアルなボストンバッグが、シックな革と縫製で大人のカバンに変身です。
内張りも定番はナイロン生地を使っていたのですが、今回は緑色のピッグスキンを使いました。優しいカバンに仕上がればと思いながら作っています。
昨日1年半待っていただいて、オーダーで作ったシャークスキンのブリーフケースを取にこられました。このお客様とは10年以上のお付き合いで、オーダーの品が出来上がると次の品を毎回オーダーされてゆくお客様です。今は型紙から新規に起こすフルオーダーはお休みさせていただいているのですが、昔からのお客様のオーダーは受けてしまいます。
今回はエレファントの革で作るブリーフケースです。オーダー用紙に完成予定日を記入しようとすると、書かなくていいとおっしゃる。完成日を決めるとその日を楽しみに待ってしまうからと。いつも遅れてしまうこと、ゴメンナサイ。私たち夫婦は深々と頭を下げて見送りました。
Le Bonheur (21:46) | コメント(3)
Comments
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たなかさん
もう少しお待ちください。いいカバン作ります。
昨日まで息子が学会で九州大に行っていて、その後人吉に泊まって、その奥の奥の椎葉村というところの研究所に行ってきたそうです。南九州はよい所だと言っておりました。 -
九大の医学部には、高校の同級生が助教授で勤めています。
人吉までは私の所から40分です。
月に一度くらいは行きますが、椎葉村はそれから2時間位かかります。
今はみなみ肥後路ネットワークというものに参加して、関西や中国地方からの誘客を募るための行政と共にプロジェクトチームに参加しています。
画像アップありがとうございます。
いよいよですね。
画像を見せていただきながら、サンプルの革を触っている自分がいます。
でも、オーダーされている方の、期限を決めない方のお気持ちが少し分るような気がします。
出来上がる嬉しさと共に、なぜかちょっと寂しさがあるような。
ル・ボナーの松本様ご夫妻と、ずっと
つながっていたいような気になっています。お願いして出来上がるまでの、
待つ楽しさが永い方が、楽しみが永いようです。
でも、今回私のお願いを快く受けていただき感謝しています。出来上がりを
ゆっくり楽しみに待っております。