ル・ボナーの一日
私のバブル景気の頃
2007年03月23日
ファーラウトのカバンの1シリーズ
今”バブルへGO”という映画が上映されている。あの頃を知る人には相当面白い映画のようです。私も見に行きたい。
バブル景気は1986年11月から1991年10月にかけて約4年の出来事で、プラザ合意が生んだ不思議な4年間でした。株価は現在の倍まで膨れ上がり、軽薄な豊かさの中で日本が踊らされた4年間でした。
私はこのバブル景気の時代は丁度成城にお店を出して失敗し、色々なアルバイトをしながらカバン作りも続ける最悪の経済状態の時代に重なり、バブル景気の恩恵らしきものは得ることなく過ごしました。
バブル時代の最後半だけ、少しバブルの恩恵を得たと言えば得たのかな。
生活が苦しくて知人に紹介してもらって就職したところがファーラウトという日本発の世界レベルのバッグブランドをめざした会社。ここで企画の仕事(デザイナーのスケッチからパターンを起こし初期サンプルを作り、工場と打ち合わせをする仕事)をしたのですが、資金的に余裕があり、将来の夢もあり、やりがいのある仕事でした。まさに今まで経験したことのないおとぎの国でした。
しかしこの会社はイトマン100パーセント出資の会社で、イトマンが駄目になって一緒に解散することになってしまいました。私にとっては、お金のことを気にせずに、カバン作りのことだけ考えていられた最も幸せな月日でした。
バブル景気の明と暗、最後の最後に両方経験しました。
その後の日本経済どん底10年(その間、私たちは阪神・淡路大震災も経験した)を経て現在に至っています。景気は少し回復してきたとはいえ、モノ作りの環境はますます厳しくなっています。
そんな中、モノ作りを続けられている私たちは幸せです。好きなモノ作りを続けるためのお金は必要だけれど、それ以上に豊かな気持でモノ作り出来る環境が一番大事です。
カバンを作り続けて30年。紆余曲折しながら、二人三脚で今もカバンを作り続けている私たちは、より豊かなモノ作りの環境を作ってゆきたい。
Le Bonheur (06:52) | コメント(0)
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