ル・ボナーの一日
削りだしの錠前のサンプル(2)
2007年02月20日
金具プロジェクトの第一弾、グラスの錠前の最終サンプルが出来上がってきました。磨きをかける前の状態ですが、それでも充分綺麗です。今頃兵庫県の各地で作ってもらった部品が精密金属加工会社の秘密基地のような工場に届き、世界一の精度のカバン用の錠前が出来上がろうとしています。
前回のこの錠前についてのブログを見た、この複雑な形の削り出しのプログラミングをしていただいた精密加工会社の若きホープ君が、あのジュラルミンの初期試しサンプルの写真では恥ずかしいから、この最終サンプルに差し替えて欲しいとの要望で、社長さんが可愛い奥様と御一緒に、野生の鹿が頻繁に道路に出てくるので鹿身事故に注意しなければいけない兵庫県の奥の方から持って来て頂きました。
確かに見違えるような出来。蝶番の部分の仕上がりの精度とシャープなボディーのフォルムは素晴らしい。でも、ジュラルミンの初期サンプルあってのこの仕上がり。差し替えずそのままにしておきます。次はいよいよ完成品でーすョォ~。精密金属加工会社のホープ君、夜な夜な無理難題を克服してプログラムしていただいて本当にありがとうございます。
削り出しはやはり違う。まだ部品を組み込んでいないのに、今まで使っていた同じタイプの錠前の完成品より重い。真鍮の金属密度が違うからでしょう。
錠前を開いた時、分かる人は分かるように削りだした時にのみ出る文様を残す事に。
時計のコート・ド・ジュネーブ仕上げのような、この文様に良い名前付けないと。コート・ド・コウベ?。
今回神戸の小さなカバン屋の見果てぬ夢をかなえてくださった皆さんに感謝、感謝です。
もう少しで出来上がってきます。最初に一番複雑な金具を頼んでしまい、採算度外視で試みていただいた精密金属加工会社のみなさまとそのお仲間の人たちには頭が下がります。
この後順次ル・ボナーで使う金具をこのプロジェクトのスタッフにお願いしていく予定に勝手に思っていますが、次回からはちゃんと普通に利益が、作っていただく皆さんにも出た上で作ってもらえるシステムを構築していかないと、このワクワクする試みは長続きしないと思っています。私はこの真剣勝負の大いなる遊びを続けて行きたいのであります。
明日、明後日は、私はイヤイヤ?東京出張でーす。
Le Bonheur (19:07) | コメント(3)
Comments
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写真だけで、十分製品良さ伝わってきます、削りだしの文様、美しい!!
家具の方でも、いままであった蝶番が需要が少なくなってきて廃盤になっていると言う話をよく聞きます、
家具だけでなく、
他の物作りをしている職人さん達も同じようなことを話されてます、
日本はいい物を作り出せる技術があるのに、その需要がどんどん少なくなってきている、残念です。
ネットで小さな力を繋げていければと思います。家具の金具のほうもおねがいしたいですね。 -
orengeさん
小さなチャレンジをこれからもつづけます。この錠前はその始まり。これからも多くのモノ作りをする人たちに協力してもらいながらホンモノを作っていこうと思っています。
namさん
今回は精密金属加工会社の社長さんには利益を無視して作っていただきましたが、今後は小ロットの生産の注文でも利益がでるシステムを考え出した上で作り続けてもらおうと考えております。
そうすれば家具の蝶番もオリジナルで頼めるようになりますよ。
メイド イン ヒョウゴでホンモノを作っていきましょう。
新しいことにチャレンジすることはすばらしいですね。だから,私のスキな色は,「チャレンジ」という言葉に限りなく近い「茶色」と「オレンジ」です。