ル・ボナーの一日

お祭り好き

2006年10月31日

10,31仕事机.jpg 私は今やっているカバンたちを今週中に終わらせようと、集中モード。 平日は特に人影まばらでというよりゴーストタウンのようで、仕事ははかどります。もうひとがんばりします。 私は子供の頃から協同で何かをするということが好きだった。 小学校の卒業文集の編集委員に選ばれた時も、今度一緒にイタリアに行く幼友達のO君は編集委員長でありながら、ほどほどサボって遊んでいるのだけれど、私は夢中でガリ版の原稿をガリガリ書いていた。 高校の文化祭でも、クラスで落語をやることになり、変なぐらい長い落語を必死で覚えた。他の連中は15分あまりの短い落語なのに覚えてこないで、カンニングしながら棒読みする中、私は観客のつまらねーぞ途中飛ばせー!のやじを受けながらも1時間しゃべりつづけました。観客が途中退席する中意地になっていた気もします。 社会人になって草ラクビーチームで、何もここまでハードな練習をしなくてもと思いつつ、ゲロを吐きながら下手なのに夢中でやってました。 そんな風に私は元々仲間と一緒に何かをするということが大好きなのです。 社会人になり仕事において一番楽しかった時期はいつかと聞かれたら、ファーラウトという会社で企画をしていた1年余りの時期だと答えます。 世界に通用するカバンブランドを作るという大志を持って、少数精鋭のスタッフの一員として熱く仕事した1年でした。 しかし、それも潤沢な資金力のあるスポンサーがいたから。実際、自分でそんな文化祭をやるのは大変。 ここにお店を構え、何人かのカバン作りを志す若者を入れて、小さいながらもファーラウトでかなわなかった夢を私の手でと思ったのですが、現実は厳しい。私の会社経営力と管理能力のなさを痛いほど感じることになってしまいました。 ここ3年ほどの間のように、私が暴走しないようにハミに監視してもらいながら、夫婦二人でのんびりカバン作っているのが一番平和な状態であることは痛感しております。 でも、ちょっとだけお祭り好きの虫を満足させたい。 もう主役になるのは諦めます。実は今まで一度も主役にはなったことはない。小学校の学芸会の白雪姫でも私は小人の一人、王子さまはO君。ああ無常でも私は司教さまでした。 親しい連中がやろうとする魅力あるプロジェクトの末席で参加させていただきます。

Le Bonheur (20:55) | コメント(5)

Comments

  1. okuno より:

    若い人を入れて・・・
    大変でしょうがいいですね!
    若くもないですし、技術もないですがもし、また、そんな事になれば飛んで行きたいです。
    以前に働いてる方がいらっしゃったのならうらやましいかぎりです。

  2. ル・ボナー松本 より:

    okunoさん
    これからは私達夫婦でのんびりやっていきます。若い人たちがカバン職人のプロとしてがんばっていこうとすることに応援は惜しまないつもりでいるのですが、私は人を育てる器ではありません。

  3. たなか より:

    組かけのダレスの黒は、クリスベルカーフですか。
    ダレスの組み立て凄いですね。
    初めて見ました。横の金具の部分の革の丸みがなんとも云えずかっこよくて憧れます。

  4. okuno より:

    今のスタイルがとても素敵ですね。
    これからも出来る限り作り続けてくださいね。

  5. ル・ボナー松本 より:

    たなかさん
    これはブッテーロです。後ろのカット台に他いっぱいの太ダレスの作りかけがあります。その中にクリスペルカーフのもあります。もう一息、がんばります。
    okunoさん
    あと30年は鞄職人でいたいと考えております。体力が必要な仕事だから無理かなぁ、、、、

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