ル・ボナーの一日

取っ手の裏をご覧あれ

2006年08月30日

贅沢取っ手.jpg ハミは取っ手の裏にデュプイ社のチェルケス(エルメスではボーグレネクシュベールと言う名で使われている革と同じ)を貼ります。 一般的には手縫いする部分だけ伸び止生地を貼って伸びるのを防ぐのですが、ル・ボナーでは2枚の革を貼り合せて伸びるのを防ぎます。その裏に貼る革にハミはチェルケスを使うのです。 せめて国内なめしのステア革を使えばと私は忠告するのですが、この革が一番伸びが防げるからと使い続けます。それも今回は、5年ほど前にチェルケスを初めて日本に輸入した時の革で、現在日本に輸入されているチェルケスより数段なめしがしっかりしている、私が革マニアコレクションの一枚として残しておいた明るい青色の最後の一枚なのです。 いくらなんでもこの青のチェルケスを、完成すれば見えなくなる部分に使うことはないだろうと言うと、革棚にある革で一番しっかりしてたからと平気です。 彼女には私のように物欲は強くありません。ただ革の裁断、革の使い方はメチャクチャ贅沢です。きっとエルメスの基準より贅沢な革の裁断、使い方だと思われます。 数年前だったら、こんな贅沢は許さなかっただろうけれど、今は二人だけなのでまあ良いかという感じ。私も逆に影響をうけ、ここのところ取っ手の裏にチェルケス使ってます。 ただ付け根の部分を手縫いするものだけ。スタンダードな手縫いしない取っ手の裏は国内のステア革です。時々カーフも使いますが、ヨーロッパのカーフを使うなんてとんでもない。 ハミが裁断する時は見張っていないといけません。ただ見えないところによい革を使うと出来上がったカバンが特別豊かな表情をみせます。材料費がかさんでもまあいいかと思ってしまう私です。いけない、いけない。

Le Bonheur (20:14) | コメント(6)

Comments

  1. ノブ より:

    こっそりとハミさんにオーダーしたくなりますね。鞄はその変化を楽しめるものですが、使用に耐えない変化は嬉しくないですから。
    ル、ボナーの鞄にそのような物はないことは承知ですが、こういった見えない部分の贅沢は、さすが!と思わず膝を打ちます。

  2. ル・ボナー松本 より:

    うー、、、でもこのチェルケスはもったいない。

  3. たなか より:

    質問です。
    その取っ手はキューブの取っ手ですか?
    私も見えないところへのこだわりは、大好きです。
    でも人に言うのではなく自分が満足できればっていうか、持つのが楽しくなればいいなあと思います。

  4. ル・ボナー松本 より:

    たなかさん
    キューブの取っ手です。キューブ系全種類とレジェはこの形状の取っ手にしています。

  5. たなか より:

    お返事ありがとうございます。
    いいですねえ。
    いつかキューブも候補にいれないと。
    昨日葦北鉄砲隊の隊長さんと30分ほどお話をしたのですが、最近の楽しみは、何と聞かれて、ル・ボナーさんの
    バッグですって迷わず言ってました。
    ル・ボナーさんのバッグは知れば知るほど欲しくなります。
    またバッグや革の魅力について、いろいろ教えてください。

  6. ル・ボナー松本 より:

    わかりました。がんばりまーす。

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ