ル・ボナーの一日
キューブシリーズ
2006年08月09日
学手が終わり、キューブボストン(中、小サイズ)、キューブ(大、小サイズ)あわせて9本製作中で、店頭にはボストン小サイズが1つ並びます。
これは、大裁ちした持ち手で伸びを防ぐため革を二枚あわせています。シュランケンカーフの裏に、デュプイ社のチェルケスを使っています。張りとこし感が、シュランケンカーフと合わせたとき絶妙なのです。
以前は主人の激怒を恐れ、目を盗みながらチェルケスの革を使用、いつも主人には「仕事でなく趣味だ!」と言われ続けたのは、採算を度外視して製作する所以なのでしょう。お前は本当に頑固だよな、とも言われ続けていますが、自分では素直だと思っているのだけれど。
ファスナー口の裏にも革を貼ります。開閉を繰り返すことでの歪み、よれを防ぐためです。
キューブシリーズは、見た目シンプルなゆえ隠れた箇所に気を使います。
キューブの内装はステアの革を使用。
マチを包み込むため、ゴロゴロ厚くならぬよう斜め手漉きはかかせません。
すべての内装がもうすぐ出来上がり、表のパーツ磨きに入ります。
Le Bonheur (08:57) | コメント(3)
Comments
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鞄の持ち手の裏革(側)にデュプイのチェルケス、ファスナー口の裏に革、おまけに鞄の内装にも革。こんな事があってもよいのでしょうか?私はこんな鞄を他で見たことはありません。これからル・ボナーさんの鞄を購入したら、裏の裏まで見ることとしました。すごい。本当にすごい。
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ノブ様
ありがとうございます。
愛着をもって使って頂くことに喜びを感じ、あえて仕事内容を伝えることはカッコ悪いと考えていましたのです。今はそんなに気取らなくてもいいかな、と。でも自分をさらけ出すようで少し気恥ずかしい。
ノブ様、これからも疑問、お気付きの点などございましたら連絡して下さいね。今後の仕事に反映していきますので。
ミネルバ様
ありがとうございます。
以前はドキドキしながらチェルケスを使っていたんですよ。今は諦めてくれた様で、堂々と使えうれしいです。またお立ち寄りくださいね。楽しみにしています。
ブリーフ キューブを使わせてもらってますが、内装の巧みさは感嘆していましたが、手抜きのないきめ細かい作業の賜物なのですね。中身が重くても膝に抱えたときに、やさしい気持ちにしてくれるこの鞄は、革の感触だけでなく、デリケートな作りが決め手だったのですね。