
新しく型紙を起こして作った、軽くて使いやすいボストンバッグが出来上がりました。
横から見るとパターンが作り出す絶妙なバランスを感じていただけると思います。
ハミがパターンを起こし、私が作りました。このパターンに決定するまで、何度かサンプルを作りディスカッションを繰り返しました。その結果生まれたボストンバッグです。
縦31cm×横45cm×巾22cmの大きさで重さは1000gです。軽いと思います。その上、外側の目立ち難いところに長財布が入る大きさのファスナーポケットが2つ付いています。それでいて革の質感は充分。耐久性のない馬革などの軽い革を使って軽量に仕上げるような小細工は使っていません。

黒はイタリア、バトラッシー社のバケッタ製法のナッパ(ミネルバボックスより厚みを薄く仕上げた革)を使っています。チョコと茶はナッパCD(ナッパの革の表面に卵の白身を塗って磨いて光沢をだした革)を使っています。
一番前の緑のだけは、イタリア、フラスキーニ社のデッドストック革のパペーテで作ってみました。フラスキーニ社はイタリアを代表するクロームなめしのタンナーです。数年前まで、独特のなめしをしていたタンナーです。うなぎのタレのように、先祖代々の使っていたクローム液に継ぎ足し継ぎ足ししながら革をなめしていました。他で聞いた事のない方法です。
そのため、非常にねっとりとしたイタリアらしい美意識をもった革に仕上がっています。その代償に強い刺激臭がします。もう作られることのない愛すべきイタリアンレザー。
緑以外は税込み77,700円です。緑だけは88,200円にします。
ボストンバッグという鞄が好きです。ボストンバッグは良質の革で仕上げたものがいいと思う。夢を一杯詰め込めるような気がします。
今年中にもう1型、カジュアルなタイプのボストンバッグを作ります。
デッドストックの革なんて聞いただけでふらふらしてしまいます。
でも待て待て自分の欲しい鞄はこれじゃないぞと、自分に言い聞かせて首をながーくして待ってようと思います。
でも私の欲しい鞄にデッドストックの革が使われていたらと思うと、今のうちからクラクラしそうです。
毎日この時間にブログの更新を見る事が楽しい毎日の日課になっています。