ル・ボナーの一日

バトラッシー社のナッパシーディー

2006年06月17日

ナッパシーディー.jpg 今、イタリアのバトラシー社のナッパシーディーという革でボストンバッグを作っています。 この革はバトラッシー社の専売特許のようなイタリアに古くから伝わるバケッタ製法で作られた革で、基本的にはミネルバと同じです。違うのは最後に独特のツヤを出すため、卵の白身を塗って磨き上げていることです。たんぱく質をコーティング剤として使っているのです。 一般的に革の表面にツヤを出す方法は、ラッカーなどを塗るか摩擦をかけることでだします。前者の方法の方が光沢が強く、後者は鈍めのツヤになります。使い込んだときは後者の方が革が長生きします。 そのバランスをとった方法が卵の白身なのだそうです。 どんな風な表情のボストンバッグになるか楽しみです。 ニューボストン.jpg 数ヶ月前に、デュプイのカーフで作ったサンプルのボストンバッグです。 これを少し変更しての本生産です。良い鞄になる予感がします。 イタリアのフラスキーニのデッドストックのカーフのパペーテでも一つ作ってみます。 革は国によって、個性がありました。イタリアはねっとりした質感を重要視し、フランスは美しい発色を大事にし、ドイツはなめしに力を注ぎました。 しかし今は国による個性の差は弱まり、平均的な革に統一される傾向にあります。 そんな中で、魅力的な革を見つけ出すのは、大変苦労します。 日本人は、色落ちやキズつきやすいことを極度に嫌う傾向があるため、その傾向に沿った革をつくり、そのため革でなくてもいい様な合皮のような革を作り出してしまいます。 そういった革は、ル・ボナーでお手入れ方法で勧めている水拭きは、危険です。 ル・ボナーでは、出来る限り魅力的な革を取り揃えるようにこれからもがんばっていきます。その革が生きるデザインを心がけて鞄を作ってゆきます。 頑張りすぎずに、柔らかで優しい鞄を。

Le Bonheur (21:11) | コメント(2)

Comments

  1. たなか より:

    もしかして5月20日のブログに出されたボストンバッグの、ハンドルの本体との接合部分ではないですか?
    いよいよ製作されるのですね。
    早くヘソクリを貯めないと。
    楽しみに待ってます。

  2. ル・ボナー松本 より:

    たなかさま
    予想されているボストンバッグとは違います。下の写真のタイプです。5月20日に載せたボストンはまだまだでーす。

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