ル・ボナーの一日

「CIRCLE」さん3周年記念制作〜

2017年03月24日

南青山の「CIRCLE」さんの3周年記念に特別な革たちで文庫カバーとポンテ・キーホルダーを作りました。実は去年頼まれていたのにすっかり忘れていて、青山さんに言われて慌ててル・ボナー内制作で何とか3周年に間に合わせる事ができました。今回はもう出会う事が出来ないであろボンジョルノのデッドストック革も加えて魅力的な革たちで作りました。

まずは文庫本カバー。

_DSC4371.jpg

フランスの名門デュ・プイ社が15年以上前に作っていたソフトカーフのグリーンのロダニール。この質感に惚れ惚れしたけれど、その後会社の経営の傾きと共にこの質感のソフトカーフも消えた。革棚で熟成されてより魅力的な質感に馴染んでいる。

そして私の大好きなイタリアのフラスキー二社の型押しカーフ。こんなねっとり感を持ったカーフは他に知らない。型押しすると熱で表面が硬くなって普通だとこのねっとり感は出せない、特にクローム革は。今はない特別なピット槽でなめした故。クロームなめしの場合なめし終えるとピット槽を洗浄し新たなクローム液でなめす。しかし昔あったフラスキー二のカーフをなめしたピット槽はうなぎのタレと同じ原理で使い続けた。その事で多くの弱点に目を瞑っても許されれると思える特別なネットリ感を持ったクロームなめし革を作っていた。しかし時代の主な要望にそう方向に向かいこの魅力的なイタリアンカーフは消えた。

_DSC4373.jpg

奥のキャメルは兵庫県川西でヨーロッパ皮革を超える日本的なカーフを作ろうとした今はないテイカのカーフヌバック。本当にテイカの革たちでバッグを作りたいと心底思った。しかしヨーロッパ皮革と同価格帯だと私たちのように特殊な革好きしか売れなかった。その為、一時の夢と消えた特別なタンナーだった。

ネイビーのカーフはそんな「テイカ」で見た夢を実現してくれそうな姫路のタンナーさんに作ってもらったデンマーク原皮のカーフ。フラスキーニー的なねっとり感のあるなめしを、原皮の最高峰と言われるダッジカーフより今は上と思われるデンマークカーフ使って作ってもらった。日本のタンナーの技術力に感服しました。ル・ボナーの定番革として使って行きたいと思っているので、順次色を加えて作ってもらう予定です。

それと坂本商店さんが作り出す黒桟革の黒でも。国産黒毛和牛の原皮を姫路の伝統なめし技法の「白なめし」で革にし、それを絞って型押しした後、本漆を何度も繰り返し生まれた革の工芸品。この黒桟革は坂本さんが作り続けてくださる限り使い続けて行きたいと思っている革です。

次に「ポンテ」キーホルダー。

_DSC4376.jpg

もう作ったドイツのタンナーが廃業して二度と生まれない特別な山羊革の「サフィアンゴート」。私の持っている在庫も残り少なくなった。魅力的な革が世界的に本当に少なくなってきた。特にクロームなめしの革は顕著で、顔料厚塗りの合成レザーでも違いがよく分からないような革が世界中を席巻している。これは革好きのボジョルノには心底残念な事だと思う。

_DSC4377.jpg

それとエレファント革でもポンテ作りました(税込9,720円)。やっぱエキゾチックレザーと呼ばれる革たちの中で、エレファント革が特別好きなんだよね。その最大の理由は丈夫さ、世界最強革ではないでしょうか。それに加え質感も特別個性的。これからもワシトン条約の特例で使える間は使い続けたいと思ってます。

ブログアップが遅かったみたいで、納品から一週間の間にサークルさんではほんの少しあるだけみたい。ル・ボナーには?さあどうでしょうか。ご来店お待ちしています。

Le Bonheur (15:25) | コメント(1)

Comments

  1. 匿名 より:

    フランスの名門デュ・プイ社が15年以上前に作っていたソフトカーフのグリーンのロダニール
    イタリアのフラスキー二社の型押しカーフ
    こちらの素材で長財布、ラウンドファスナー長財布を作っていただきたいです

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ