私の万年筆趣味は「アウロラ85周年レッド」に始まった。イタリア万年筆は美しいただの棒と言う万年筆趣味の先達多くおられますが、その美しさに魅了された。だがしかし高価だったので中々入手すること叶わなかった為、50年代モンブランやシェーファー病にかかりアウロラ85周年レッド購入の何倍もの予算をそこに投入してしまった。その後レッドの入手叶った後もペリカン1985年限定収集とかパイロット色々とか脇道を彷徨い歩いて来た。その間8年、そうまだ万年筆を収集し始めて8年しか経っていないボンジョルノ。でももうこの辺りで打ち止めと思っていたらそうはいかなかった。イタリアの悪女たちがぁ〜。
還暦祝いに勤ちゃんから頂いたデルタの「アルファロメオ 6C-1750グランスポルト」がその魔界の扉を開けた。どう考えったって洗練からほど遠いとってつけたようなデザインがツボに入った。
そして先日、その書き味に魅了されて長い年月交渉してきてやっと入手叶った、ニブを自社内生産していた頃の旧オマスの「オジバ ギロシェ ハイテク」。何がハイテクかは分からないけれど、多くの問題を内包していることも分かった上で、このボローニャの万年筆メーカーがグローバル経済に飲み込まれる前のこのペンは欲しいと願った。その願いかなって書いてみると〜おお、この蕩けるような書き味に魅了される。
そして私はここ数日この3本を手放さず持ち歩いている。
万年筆は自動車の世界のポジションと似ているなと思う。ドイツしかり、万年筆のトヨタはパイロットだと思う。フランス、イギリス、アメリカも車と同じような位置付け。そしてイタリア万年筆はイタ車(これはいたぁ〜い車とイタリア車の二重の意味)と同じで多くの問題には目を瞑って快感最優先。この割り切りが爽快感を与えてくれることを、突然のこの2本の万年筆入手が思い起こさせてくれた。
今持っているイタリア万年筆はこの2本を加えて12本となった。私の所有する国別万年筆の中では12本は決して多い方ではない。しかしこの本数でも存在感抜群のただの美しい棒は迫力満点。もう一度原点に戻ってこのじゃじゃ馬たちを愛でるボンジョルノでありました。
(追伸)
もう1本スティピュラのダヴィンチがありました。パイロットのキャップレスとは真逆の、繰り出しに手間取るペン先が即乾く問題児です。なので計13本。
僕は「お店で試したパイロットの書き心地の良さ」も気になったのですが「皆が持ってる物は持ちたくない」という気持ちと「全国を無料ペンクリニックする心意気」が気に入って「セーラーの名前入りプロフィット万年筆を1本」だけ持ってます。「趣味の文具箱」を毎号読んでて「いつかはデルタも持ちたいな」と、思ってるけど、「熊本地震に募金」したりして道は遠そうです。