クラシックレンズを2〜300お持ちのル・ボナーのお客様が面白いレンズ持ってきたので数ヶ月試し撮りしてみてくださいよと言われた。普通他人の所有するレンズを借りて使ってみるなんて怖くて出来ないけれど、ボンジョルノはその申し出を断る事は出来なかった。私のモノの増殖は多くのモノ好きのル・ボナーの顧客の方々の善意と誘惑によって始まり、その後その呼び水に呼応して増えていく。それにしても昔のレンズたちの質感は私には宝石のように輝いて見える。
特にその中で一番外観的には好みでないレンズに目が止まった。1958〜69年の間作られたこの伝説のスイスのアルパの「KERN-MACRO-SWITAR 50mmF1,8AR」というレンズは知っていた。それが目の前に有りこれから試し撮り出来るなんて願ってもないチャンス。そのレンズを2つのアダプターを介してα7Rに装着して早速撮ってみました。
操作上でびっくりしたのは無限遠から最短撮影距離までピントリングを3回転ほど回さないと行き着かない。こういう操作は今までしたことがなかったから戸惑った。しかしマクロで撮る時と普通の50mmとしてスナップを撮る時に2つのレンズを交換しながら撮るよりは時間は要しないと思えば苦ではなくなり面白さも感じる。それにしても2つの金属無垢のアダプターも加わって大変重い。
解放で最短撮影距離で撮ってみました。ケース周りボケの始まりのキラキラ感が独特。30cm強まで寄れる、コシナのアダプターでもっと寄れて25cm。
F4まで絞るとくっきりしてくる。
50年以上前に作られたレンズはどれも解放で撮ると靄が広がるようで絞らないと撮れないと思っていた。しかしこのレンズは解放でも抜ける絵が撮れてびっくり。
見た目はこのズミクロン50mmに純正フードの方がいい感じ。これもF4で撮りました。
なんとも独特な色気ある絵が撮れる。
被写体まで20mほどの距離がある場面での開放撮影。ピンがしっかりボールに合い遠景は程良くボケる。
絞っても遠近感が十分感じられる絵が撮れる。
古いレンズはこういうのは苦手と思っていたけれど全然大丈夫。
上がF4に絞って、下が開放F1,8。やはり少し絞った方がモノ撮る時いいかな。撮ったレンズはコシナではない今回お貸し頂いたドイツの本家フォクトレンダーのノクトン。その金属ボディーの質感とレンズの出っ張りにはびっくり。市販のフィルターだとレンズに当たってしまうのでつけれないほど。このレンズはM9に装着して撮ってみよっと。
これほど撮る事でワクワクしたのは久しぶりだ。この後今回お借りしたこれ以外の5本のクラシックレンズを試し撮りしてみたいと思います。それを参考にこれからのレンズ趣味を充実したものにしたいと思っていますがどうなるか。外観優先思考のボンジョルノにとってこのアルパのレンズは衝撃でした。
何とかレンズも今月中に出せた。
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