お待たせしていた「ブッテーロ天ファスナーブリーフケース」が出来上がりました。オーソドックスなブリーフケースですが、ル・ボナーらしさと珍しくらしくなさが共存するブリーフケースです。らしくなさの部分では、見た目より重い事。バッグ作りにおいて、見た目より軽いを意識して意匠と仕様を考えるようにしていますが、このブリーフケースはそうではない。ブッテーロ革を使ったダレスバッグなどは本来の厚みを割って裏に芯を貼り、見た目より持った時に驚きを感じる軽さを生み出しています。天ファスナーブリーフはブッテーロを原厚のまま芯を貼らずに作っています。使い込んで素敵な馴染みを重さより優先し重くなるのを犠牲にしました。その選択は間違いでなかったと使い込んだブッテーロ天ファスナーブリーフを見る時思います。持った時重みが全て底にかかる仕様が独特の安定感ある形状に馴染んで行きます。今回は6色を作りました。
左からワインとバイオレット。糸を違えているので分かるけれど、室内の照明下だと色の判別難しい。でも外光下だとはっきり分かる。使い込んでエージングした後は差は歴然。
チョコ(ダークブラウン)とグリーン。
黒とネイビー。これも照明下だと判別難しく糸色で。
今回黒は上画像中央辺りに確認できるような傷等ある個体が何個か有り、予約分を選別し残った黒にA級はない事態に。使い始めたら当たり前に付いてしまうけれど、これは同じには売れません。なので、来店頂き確認後納得頂ける場合2割引きにて販売いたします。
今までブッテーロ革のバッグのコバは染料仕上げで作っていましたが、今回から顔料で仕上げました。染料でも顔料でも手間は同じですが、この方がコバの耐性は高いとの判断から。なのでダレスなども次回からコバ処理は顔料に変更する予定。
ル・ボナーの天ファスナーブリーフの最大の特徴は、ベルトがぐるり別体パーツになっていて、その事で重み全体が底に。それが使い込んでふくよかなフォルムを生み出す。
ハンドルを折って仕舞うのはいけません、立てたまま仕舞ってください。使い込むとハンドル部分は掌の汗も油分も吸い込みます。それがハンドルを折って収納すると胴本体にそのシミが付く事になり、これはなかなか取れません。ハンドルが最も傷むパーツです。少しでも長く使う為には掌の触れるハンドル部分は水吹きを習慣にすると長持ちします。革の天敵の汗にふくまれる塩分を緩和させてあげる為に。
内装のピッグシルキー革は黒とグリーンはグレー、ワイン、バイオレット、チョコはワインレッド、ネイビーは綺麗なブルーです。税込み97,200円。
本日、天ファスナーブリーフ届きました。革の匂いがプンプンです。ブルーブラックの細字の万年筆で書かれた手紙、ありがとうございました。アウロラの万年筆で書かれたのでしょうか。内装のワインレッドのピッグシルキー革は今まで持っているカバンの内装と違い、手にしっとりとした感じで、湿っているような感じです。タオルやブラシで磨いてメインテナンスしたいと思います。(財布とは違いカバン本体に均等に手脂は付きませんしね。)