トラ模様のある部分は革一枚の首に近い中央部分、繊維が詰まって伸びない部分。しかし、そこを使った製品は敬遠されがちだ。それはパーツをつなぎ合わせる鞄の場合、違和感が生じるからだと思う。しかし量産する場合その違和感が生じる個体は出来てしまう。型押しや厚化粧した革はトラ模様が隠れるけれど、それだと革本来の質感を損なう。それは、鞣しがタンニンだろうがクロームだろうが変わらない。革を凝縮させて自然なシボを出すシュランケンカーフは特にそのトラ模様がくっきり目立つ。
それで、パパスショルダーを作るときに、トラ模様のある部分のみで作ってみた。そうすると、それはそれでいい感じで出来た。ただこれはリピート生産を繰り返してるパパス・ショルダーだから出来た事だけれど、年に1〜2度しか生産できない鞄だとそうはシステム的に出来ない。そしてトラ模様の半端革が多く残った。このトラ模様の革が生かせる方法はないかと思案した結果思いついたのがブックカバー。これならパーツの重なりがないから、トラ模様が生きるはず。
出来上がったブックカバーはトラ模様が表情豊かで、トラ模様の個性が強い個体から売れていく。確かに魅力的な表情している。パーツの少ない製品だとトラ模様を生かせると思った。
昨年の夏にトラのパパスを購入しました。
出かけるときの相棒として活躍してくれています。
使い込んだ鞄とともにお店にお伺いできる日を楽しみにしております。