「イタ車」とは痛いイタリア車の事だそうだ。現行のフィアットの車以外のイタリア車は、その「イタ車」に分類されると思う。2000万円オーバーのスーパーイタリアンから廃車する時お金がかかってしまう私の愛車まで。極めて不条理な魅力をその「イタ車」は持っている。決して日本車やドイツ車のような安心感は与えてくれない。しかしその不完全な工業製品が持つ不可思議な魅力を知ってしまうと、他だと物足りなくなる。ただ、足がわりに走行距離を多く乗る人には絶対勧めない。だって壊れるもの。
私は「アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型」に乗り始めて、初めてドライブする事の楽しさを知った。そしてこの喜びをブログを通じて共感する多くの友を作りたいと思った。その結果、ル・ボナーに来店される何人かのお客様も「イタ車」ユーザーである事を知り、意気投合した。しかしこのところ、知っている「イタ車」仲間が一人また一人と減りつつある悲しみ。四国のアルファGTV~マセラッティ・ジブリと乗り継いだお客様も、とうとう修理しながら乗る苦しみに悲鳴を上げ脱落。今はスバルのレガシイ乗っている。
私が強く影響を与え「アルファGT」を購入されたOさんもやはりダメだった。購入と同時にエンジンコンピューターが漏電で交換。その後も、ドアのインナーノブが捥げたり、車体下部のアンダーカバーが走行中落下したり、警告灯がランダムに嘘の警告をしたりするマイナートラブルに悩まされた。走る楽しみを味わう前に不安がいつもつきまとう。そして彼はBMWのM3にチェンジ。確かにM3なら安心して走りが楽しめるだろう。通勤に使っているOさんをなじったりは私でも出来ない。で、「アルファGT」を無料で引き取らないかと仰しゃる。
アルファ最後の傑作・ツインスパークエンジン。
リアのエクステリアデザインはベルトーネの官能。
4人がゆったり乗れる室内。イタリアンレザーシートはしっとりと別世界。
しかし、バックミラーもフェンダーミラーも視認性はすこぶる悪い上に、車幅の確認は慣れが必要。その上未完成なAT・セレスピードからは操作するたびに異音が。でも始動の時かかれば(それも不安定)走る。
私は少し心が動いた。しかしATはいけません。「イタ車」のATは特に。その上、そんなに乗らないとしても、今乗っている「アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型」よりも修理が多発しそう。私は丁重に辞退する事にした。だって次が待機しているもの。
世界で数台しかないブラックボディの「アルファロメオGTVアルファコルサ」。今も東灘の山手のガレージで待機しています。これやっぱ惚れ惚れする。しかし愛車「アルファロメオ145クワドリフォリオ前期型」が元気でいる間は待機し続ける。それにしても美しいエクステリアだ。
でも時々思う。近所のスーパーの地下駐車場にはカーリースのブースがあって最新のミニのクロスオーバーなんかも借りれたりする。だったら普段はカーリースで、もっと古いアルファロメオを所有するという道もある(そっちかぁ〜)。憧れの60年代のジュリエットスパイダーとか。まあどちらにしても私はアルフェスタとして車人生を全うしたく思うのでありました。
やっぱアルファロメオが良いです。特にこのエンブレム。
寒い日が続きますね。インフルエンザもA型は収束に向かっていますがB型はこれからなのでまだ注意は必要です。お身体ご自愛くださいね。
で、私のAlphaGTは入院中です。悪いところ(ワイパー、アンダーカバー、ドアノブ、セレスピード、その他コンピューターエラー)を徹底的に解明and修理しています。退院は来年の1月中になるか2月になるか未定です。イタリア人には「納期」の概念がないので仕方がありません。しかし久しぶりにAlphaに乗ると、やはりイタリア車は良いですね。M3(F80)と比較するとおもちゃみたいですが、イタリア車はプラモデルみたいなものだと納得しています。車もカメラも万年筆もホビーの要素があるから楽しいですね。