ル・ボナーの一日
不安はあるけれど老の時期も楽しみたい。
2013年07月16日
「ハミさんの61歳の誕生日が近いけれど、来週は来れないから」と、親しいF夫妻が誕生日プレゼントを持って来店。可愛い「マカロン」と写真集。「マカロン」はこのところお菓子から少し遠ざかるよう心がけていたボンジョルノですが率先して頂いてしまった。
「Advanced Styleニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ」という60~100歳のご婦人たちと少々のおじさんを撮った写真集は素敵だ。老いる事も良いのではと勇気を貰えた。
私達はこれからの「老」を真剣に考えないといけない時期に来ていて、健全な社会人として過ごした時期が短い為、年金は月4万円出るかどうか。老後の蓄えなんて全然。しかし老いは確実に浸食しているのを実感する。お先真っ暗な私達の老後。好き勝手な事をして来たツケと言ってしまえばその通りなのだけれど、打開策はないものかと真剣に考えていた。
こんな老カップル見たら拝みたくなる。
そんな時この写真集がヒントを与えてくれた。
私達は健康と老人性痴呆に留意さえすれば、定年退職のない自営業だからいつまでも現役でいられる事に気付いた。職人としての指先の衰えは当然あるだろうけれど、感性さえ鈍らなければ今の生産方式だとこのお店を続けていける。あと20年は大丈夫。という事は私の場合は老後はないことになる(親父が76歳で亡くなって私の人生の終着点もそのあたりと思い込んでいる)。ハミはその後も暫くは生きているだろうから、これからの20年でハミの老後の資金を捻出すれば良い。楽天的に私達の老後を思い描く事ができた。
この可愛いご婦人は80歳。
健康はこまめに検査してメンテナンスを心がけ、老人性痴呆症は日々お店に出て人と接する事で刺激を頂き、遅くはなるけれど鞄作りを続ける事で指先を動かし刺激し続け、私の場合は囲碁で頭を使い?ボケ克服。
老人ホームのようなお店になって維持出来るかと心配な部分はあるけれど大丈夫だと思う。今まで生み出したカタチという遺産と老職人だから生み出せる新作が相まって、ル・ボナーは進化し続けれるはず。老を楽しめる生き方を実践出来れば、大丈夫だと思えるようになった。そして「ありがとう」と言ってさらりとバイバイしたい。
Le Bonheur (19:33) | コメント(0)
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