ル・ボナーの一日
10年選手の里帰り
2012年08月05日
現在10年選手の鞄たちが多く里帰りしております。
せっせと修理しているところです。
大型タンカーの船長さんされているお客さまの太ダレス。相当にハードな使われ方されている太ダレスです。ブッテーロお手入れ名人がル・ボナーには多くおられるから勘違いされやすけれど、お手入れ気にせずハードに使うとブッテーロ革使った製品はこうなる。それはそれで良い味わい。革自体はまだまだ元気で、この後10年は十分使い続けられるしょう。枠とハンドルを交換して、ついでにコバの磨き直し。
このタンクトートも10年選手。ハンドル交換での里帰り。それにしてもシュランケンカーフという革は凄い。ジーンブルーのような薄い色でも10年使ってもそれほど汚れが気にならない程度。このトートは毎日の仕事の相棒として使われていたそうで、このバッグを修理で持ち込まれた時に同じタンクトートの色違いを買って行かれたから、この後使い人の元に戻っても交互に使ってもらえるから楽できるはず。
今は作っていないけれど、10年ほど前までは生地と革のコンビのバッグも作っていた。本体に使っている生地部分が10年も使い続けるとすり切れてくるのだけれど、このバッグはまだまだ大丈夫。大事に使って頂けていた事が感じとられる。このバッグもハンドルの交換。この製品の場合はハンドルの芯に合成ゴムを使った。その合成ゴムが革の脂分と人の汗に含まれる塩分の影響でゼリー状に科学変化し、それが革のつなぎ目がか出て来る現象が生じた。今回の交換修理で既存のル・ボナー製品と同じ生地のロープに換えたので、もうこの問題は長く使ってもならない。
このボストンバッグは量産前のサンプルで作った品で、量産では修正したけれどこの個体は本体ファスナーがスムーズに開閉しにくい。その修理はしないからという約束の元、親しい顧客の方に安く譲った。そういう約束で販売したのに年月経てやはりスムーズな方が良いと修理に持って来られた。私は嫌だと言ったけれど、ハミの「修理してあげていいじゃない」の一言で修理する事に。修理するのはハミじゃなくて私。ボンジョルノ頑張りました。
このポーチは修理品じゃなけれど、近所に住む横浜から単身赴任中のエリートビジネスマンS氏の品。ミネルバリスシオのタバコ色が良いエージングしていたので撮らしていただきました。いっぱい色々買ってもらっているけれど、このカタチ作って売っていた10年前からのお客様だったとは知らなかった。素晴らしくよく出来たメンズポーチだと我ながら思う。2層式で内側もポケットいっぱい。でも今の時代的には少し違う気がしてポーチ・ピッコロ。
愛着持って使って頂いている昔作ったカバンたちとの再会は嬉しい。
私たちがこの仕事を続けていける限り、修理も私たちがやり続けたいと思っています。
Le Bonheur (21:48) | コメント(0)
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