ル・ボナーの一日
印象派?職人ボンジョルノ松本
2012年07月20日
私は35年以上鞄職人を続けて来た。
ただその年月続けたけれど、作った品は精緻な縫製とはお世辞にも言えない。
几帳面でない性格が災いして、丁寧より勢い重視で作るところがある。
ボンジョルノの作る鞄は端々まで丁寧に仕上げている訳ではないけれど、
縫製に勢いがありそれがボンジョルノらしい味わいを生み出していると、
親しくなった人たちはお世辞半分で言ってくれる。
確かにステッチひとつとっても同じ番手の糸と針で同じステッチ幅で縫った場合、
私の縫うステッチは美しい美しくないは別として太く見える。
絵で言うところの印象派的なタッチを求めている部分が、
気付かぬ内に職人ボンジョルノ中にあるのかも知れない・・・・・・・?。
そんな印象派?職人ボンジョルノもサンプル作りと企画生産管理が主な仕事となり、
多くは信頼して頼んでいる職人さんたちに本生産は作ってもらっていて、
私自身が最初から最後まで作った品を店頭で売る事は少なくなった。
でもやん事なき事情がある時は今でも作る。
その部分を残せるからル・ボナーは業界で特異な立場でいられる。
このところ革小物を数点作った。
一度に100〜200個ほど作っているデブ・ペン。
今もリピート生産中のル・ボナーで大人気のペンケース。
色合わせが特異だったのでまとめて作るには躊躇があり久々作ってみた。
正直量産をお願いしている職人さんが作るデブ・ペンの方が収まっている。
何度も繰り返し数を一杯作り続けてますます洗練と完成度を高めているデブ・ペン。
それに比べ久々私が作ったデブ・ペンはそれとは違う。
美しさを比べると劣るが、でぶぅ〜とした表情がまさにデブ・ペン。
顧客の方が最新のキヤノン5DのⅢの購入を躊躇されていたので、
入手の暁には革のストラップ作りますよぉ〜と無責任に後押ししたら、
本当に買っちゃったので作る事に相成りました。
フィット感抜群で世界一?のカメラストラップではないかと自画自賛。
それとこの秋登場するiPhone5がサイズが大きくなると言われていて、
量産に踏み切れないでいるiPoneケースもまた作っちゃった。
iPone4Sにバンパーカバーを付けたまま入るサイズに変更して作ってみた。
こんな風に革小物も時々ボンジョルノ自ら作る事もある。
自身で作る基準は作ってみたいと思うか思わないかと言う事か。
自身で作る品はこれからも印象派的作風で行きます。
というよりそういう風にしか作れないボンジョルノ。
Le Bonheur (08:31) | コメント(0)
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