ル・ボナーの一日
今頃2011年の革の棚卸し
2012年01月26日
年末にしなければいけない棚卸しの、私が担当の革関係をしていた。遅れると年末以降に使用した部分を調べて足す作業が加わり面倒になる。伝票上の数字は把握してはいるけれど、実際に革を開いて数字を確認する作業が年に一度は必要だ。これが結構重労働。一番多いシュランケンカーフなどは4枚一巻きになっていて結構重い。そんな束をいっぱい開いては巻き直しの繰り返し。
シュランケンカーフ、クリスペルカーフ、ノブレッサカーフなどを作っているドイツ・ペリンガー社の革を包んでる紙にはこんなマークが入っている。創業1864年という事は日本はまだ幕末の江戸時代。家業として良いクロームなめしの革を150年近く作り続けているこのタンナーは立派だ。
棚卸しの時の楽しみは、ストックしているもう作られていない革たちとの会話。革は食肉の副産物。そのままだと腐って土に帰る皮を、人が手を加える事で永遠の命を宿す素材。そんな革という素材も近年合皮と同じ表情が主流。豊かな表情や質感を持った革を作るタンナーが少なくなっている。特にクロームなめしの革はその方向が顕著で、少し前まで魅力感じる革を作っていたタンナーも、大手ブランドの意向に添って合皮でもいいような革しか作れなくなっている。
魅力的な革たちを、鞄を数個作るぐらいなら作れる程度の量で沢山ストックしている。しかしまとめ作りがメインの現在のル・ボナーなので、その魅力的な少量ある革たちはそのまま革棚で年月を重ねる。良い革は年月を重ねると熟成され、より魅力的になって使いたい気持ちだけは益々強くなる。
Le Bonheur (06:05) | コメント(2)
Comments
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初めてコメントさせていただきます。
昨日は、素晴らしいひと時をありがとうございました。夜まで興奮が続き、なかなか寝付けない程でした。
(カンパニョーロにペリカンに…今思い出しても興奮してしまいます。)
次にまた伺える日がくるのを楽しみにしながら、ブッテーロを磨いておきます。
Re: ボンジョルノ より
また来てください。
その時には磨き上げたブッテーロの革小物も見せてください。
ブログいつも楽しく拝見しております。
お店は、数年に一度覗かせて頂いておりますが、申し訳ないことに未だ購入したことがありません。
革の魅力は奥深いですね。作品と呼ぶに相応しい年季の入った革の数々、涎モノですね。チャタテ虫がわいたり、カビが生えたりはしないかと少々心配ですが。
ルボナーのお二人の手で素晴らしい作品に生まれ変わるのを待っているんですね。
Re: ボンジョルノより
革に良い湿度でキープさせていると思っています。
良くなめされた革は年月経つと熟成します。
ワインに似ています。