ル・ボナーの一日
ブッテーロ革の魅力を再認識
2011年11月15日
イタリア・ワルピエ社という小さなタンナーが作っているブッテーロという革は、フランス原皮のステア(成牛)のショルダー部分を100%タンニンでなめした革で、その革に植物性のオイルを加えている。傷とかが目立ちやすい欠点はあるけれど、極めて復元力を持った革です。使い手のお手入れ次第で使い込んで愛着を強く感じる事の出来る革です。
ル・ボナーきってのブッテーロお手入れ名人のKさんが久しぶりに来られた。日々使って頂いているブルーに赤ステッチのブッテーロの太ダレスは益々清潔感のあるエージングが進化を遂げている。顔料やコーティング剤を表面に塗っていない革は使えば傷は出来る。Kさんの太ダレスもよく見ると小傷は発見出来る。でも磨く事でその小傷も全然気にならないレベルに治まる。
ビジネスで使うバッグは軽くて機能的で手間いらずなナイロン素材で十分だしその方が便利だと思う。しかし持つ事の楽しさや特別感は得にくい。Kさんのお手入れしてより豊かな表情を見せているこの太ダレスを見ると、革のカバンを作っていて良かったとつくづく思う。
その太ダレスの中から出て来たブッテーロ/グリーンのデブ・ペンケースはその太ダレス以上に美しい光沢で革表面を覆いながら美しく進化している。日々使っていて無造作にカバンの中に入れているのにこの美しいエージングは、お手入れの効能なしには得られない。またそのお手入れにブッテーロという革は敏感に応えてくれる素性正しい革だ。
使われている他のブッテーロ使った革小物たちも例外無く美しくエージングしている。ここまではなかなか難しい。実際私には無理だ。でも使う人全員にこの美しいエージングの可能性はある。
作るのに気を使わなくても済む2〜3年は傷つく事も気にしないで済む顔料やコーティング剤を表面に厚塗りした、革素材でなくてもいいような革が世の中に多く出回っている。でもそういった革は呼吸出来ないから2〜3年で革の生命力が尽きる。あとは老化が急速に進む。それに比べよくなめされた呼吸可能な革は使い込んだ年輪を残しながら長く生き続ける。そしてかけがいの無い相棒として寄り添う。ブッテーロという革はそんな相棒として寄り添うのに最適な革です。
Le Bonheur (22:02) | コメント(1)
先日のパパストートも周囲に絶賛されていますが、学手風鞄の中はブッテーロで一杯で磨き甲斐という意味ではこちらのほうが楽しいです。
そろそろ新作もお願いします。個人的にはパスポートケースとか、カード専用ケース、小銭入れ、リュックなんかが希望なんですけど。
Re:ボンジョルノより
ブッテーロは磨いて楽しみましょう。
新作かぁ〜頑張らないと。