フェルディナンドカーフという革があった。北欧で作られたそのカーフ革が私たち二人は大好きだった。表皮の摩擦強度は決して強い革ではなく、荒い使い方をすると無残な状態になるけれど、しっとりとした上等な質感が大事に使わないとと使い手に思わせるだけのオーラを持った革だった。そのフェルディナンドカーフ使って作ったレジェ・ボストンが里帰りしている。修理とかお手入れとかでの里帰りではなく、久しく品切れが続いていたレジェ・ボストンを再生産するため見たくなった。親しいお客様に使って頂いているので、無理を言っての里帰りです。それにしても良い表情している。
レジェ・ボストンにこのフェルディナントカーフの相性はピッタリだ。ただこの革でこのボストンバッグはこの一本しか作っていない。タンナー自体がなくなり在庫で持っていたフェルディナンドカーフで数年前に作った最後の大物。もう革小物しか作れない大きさしか残っていない。
このタイプのカーフが現行品で探せなくなっている。大手ブランドが数年は合皮なみに傷つかないビニールのような表情の革を望みタンナーも迎合する。その事で使い手の気配りで特別な表情に生まれ変わっていく上等なクロームなめしの革が減った。本来革が持っている耐久性と魅力を犠牲にして、便利や安易に扱える方向に革も悲しいかな進んでいる。五感を刺激する革素材が私は好きだし、素材が革である事の意味だと思うのだけれど。
レジェ・ボストンをシュランケンカーフを使って復活させます。フェルディナンドカーフのネットリした質感は望めないけれど、厚みと発色で新たな魅力を持ったレジェが登場するはず。このレジェ・ボストンに荷物を詰めて旅に出たら、一杯の想い出も一緒に持ち帰る事が出来るような気がする魅力的なフォルムのボストンバッグ。
ステキボストンですね。
シュランケンカーフ楽しみです。
(≧▽≦)
Re:ボンジョルノより
良いでしょう。
売れる売れないは別にして、
作ってお店に並んでいて欲しいボストンです。