ル・ボナーの一日

フィットする気持ち良さ

2011年05月02日

IMG_0690.JPG 私がこのところよく履いている2足の革靴です。手前の靴がミネルバボックスのグリージオ使って作ってもらったオーダー靴。元色が思い出せないほどのエージング。もう一足のブルーの革靴は知人が大阪の若き靴職人に頼んで作ってもらってテーラーに卸していた売れ残りを安く買った品。一緒に買ったル・ボナーの顧客が正価でも手に入れたいと願う「幻のハチカメ?シューズ」と呼ぶ履き心地抜群の紳士靴。 今まで革好きではあったけれど革靴にはあまり興味を持っていなかった。ラフな格好でも問題のない仕事だった為、もっぱらスニーカー党でつい最近まで通していた。革靴と言える代物は持ってはいたけれど、ワークブーツやビブラム底のアウトドアな革靴ばかりだった。東京に居た頃に近所の家で不幸があった時に黒の革靴を持っていなくて黒長靴履いても気が付かれないと思って夜のお通夜には行けたけれど、革靴ないばかりにお昼のお葬式は辞退したこともあった。 そんな私も年齢も50歳過ぎるようになると、少しはちゃんとした格好に見えるアイテムを身につけなければと思うようになった。冠婚葬祭用の黒い革靴ぐらいは恥ずかしくない程度の紳士靴を持っていようと考えるようになった。革靴は高校生の頃アイビー全盛であった事もありロファーを通学に履いていた時期があり、これが硬くてパカパカ踵が浮き靴擦れ起こす代物で、その記憶がトラウマになってこの年齢まで避けていた部分がある。 そんな私がここ最近革靴を履いて仕事するようになった。足にフィットする紳士靴はスニーカーやアウトドア系の革靴より、履いていて気持ち良いという事をこの年になって始めて知った。美しいフォルムした靴が生み出す足元は、気持ちもシャキッとさしてくれる。 私の場合はまず自分の足にフィットするというのが一番。その上足が呼吸していることを実感出来る事も大事。それに加え足裏が地面を靴底を介して感じれる事。そしてシンプルでスマートなフォルム。その結果縫製方法はマッケイでもグッドイヤーでもかまわないけれど、呼吸し地面が感じられる革の底が良い。 革靴は革の良し悪しを最も反映する革製品だとこの頃思う。また量産品、オーダー靴問わずに職人の手仕事を強く感じられる革製品だと感じている。鞄作りに比べて靴作りは多くの拘束と制約の中で個性を主張しなければいけない。そんな革靴も面白いと感じている今日この頃。革製品はフィットするという事が大きな魅力なんだと更めて思うのでありました。

Le Bonheur (08:25) | コメント(2)

Comments

  1. orenge より:

    二足ともいい感じですね。ブルーの靴は私もよく履きます。結構あわせやすいと思います。コインローファー等のスリッポンは,最初少し窮屈なくらいのサイズでないとゆるくなり履きづらくなりますね。革底の靴は履くと気分が良くなり,すべりやすいという欠点はあるけれど私も大好きです。ワークブーツやデッキシューズやスニーカーもいいですが,こういった革靴は特別です。コードバンのチャッカーブーツやヴァンプローファーを最近はよく履きます。おっしゃる通り,靴はやはり最終的には「フィット」感でしょうね。デザインや素材や製法等はいろいろありますが「フィット」感が悪いと履かなくなりますから。
    Re:ボンジョルノより
    靴を履く事の面白さをこの年になって知りました。自分の足にフィットする靴と出会えた時は格別ですね。

  2. 三好 より:

    黒い靴は、まずは某社長のクロケットを1~2足もらっちゃいましょう。
    Re:ボンジョルノより
    人聞きが悪い〜下取りするんです。
    靴も面白いと思うようになりましたが、
    皆様のようには多くはいりません。

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