今年一番の大作のトランクがほぼ完成しました。カクカクとした仕上がりでない、私の思い描いた緩やかな曲線の箱に仕上げる事が出来ました。この制作だけに集中しては作業する事は叶いませんでしたが、一針一針手縫いで強度が増すのを感じながら縫い進める時間はかけがいのない至福の時間でした。
内装は赤に近いワイン色のピッグシルキー使ってシンプルな仕上げ。これに仕切り板を付けるか現在思案中。使い続けて頂いて10年後、20年後、いや半世紀後の姿が楽しみです。柔軟性のあるトランクを、生命力抜群のブッテーロ革で作ったから、長く使えるはず。内装は張り替えが容易にできる様にしてあるので、ご要望あれば別の革使って仕様も変えて、生まれ変えさせる事もいつでも出来ます。楽しい仕事を私に頼んで頂いたお客様に感謝。もうしばらくは一緒にいられます。私はトランクを作るのが一番好きかもしれないと思っている。でも現在社会ではこの高価な箱は需要が少ない。トランクは私の鞄作りの原点。
こいつは素晴らしい!カラーのマッチングもいいと思います。ボンジョルノさんもたまにはやりますねえ。
昨今ではこんな素晴らしいトランクは滅多にお目に掛かれなくなりました。カッコいい!本当に素晴らしい!!
Re:ボンジョルノより
褒めて頂き嬉しいです。私は22歳で独立した時、まずトランクを作って卸していました。その頃作っていたトランクは相当ラフなモノでしたが、手間の割に安かったのでよく売れました。でも働けど働けど我生活楽にならずでした。そんな事をこのトランク作りながら思い出していました。