ル・ボナーの一日
ライターN氏が来店~
2010年03月31日
親しくして頂いている時計ライターのN氏が来られた。スイスのバーゼルの時計取材から帰国し、翌日からは東京と言っても相当奥の方にある自宅から車で関西へ。そしてル・ボナーへ。スイスのおみあげのシュプリングリのマカロンは、美味しくてもうこの状態。
ライターN氏は私の親しいモノ好きな人たちの中でも、その趣向を仕事にまで昇華した稀有な人物だ。一度東京の山奥の旅館かと思うような自宅に訪問させて頂いた事があるけれど、広い屋敷はモノたちが多くの部分を占めている。興味のない人にとってはガラクタかもしれないけれど、興味のある人にとってはその量と質に圧倒される。
ライターN氏は、時計だけではなく多方向にモノ好きの触手は広がっているのだけれど、統一した方向性があるように思う。作り手の顔が見えるアナログなモノたち。20世紀が生み出したモノ作り文化とでも言いましょうか。言葉足らずの私には説明しきれないけれど、ライターN氏自身が文章にすれば説得力のある説明(言い訳)が出来るはずだ。実際一つ一つのモノについての説明をN氏から聞くと、それまでただのガラクタ然としたモノでも、愛おしさ感じるお宝に思えてしまう。
今私は自転車に興味の矛先が向いている。N氏は自転車も詳しい。小学校の時に興味を持ち始めアルバイトして貯めた資金でフレームをオーダーしてイタリアやフランスの部品を入手して組上げた自転車は、今でも大事な宝物だそうだ。筋金入りではありませんか。そんなN氏の自転車についての話しも大変面白い。そして私は「ルネルス」の名が深く刻まれた。「ルネルス」かぁ~。自転車界のブガッティ。
今回の来神でも、時計や筆記具色々見せてもらった。
IWCの最高傑作ムーブメントCal89のオールドインター。もうそんなに沢山の時計は欲しいとは思っていないボンジョルノではあるけれど、是非いつか入手したいと願っている5本ほどの時計の中の1本だ。
ムーブメントの部品一つ一つに重厚感がありながら丁寧な仕上げは、いつ見ても惚れ惚れするCal89のムーブメント。その素晴らしいムーブメントがいつでも見る事が出来るようにシースルーの裏蓋仕様になっている。いつでもオリジナルの裏蓋に交換できるのだけれど、このシースルーの裏蓋に替える事でパッキンも付属して防水性の向上にもなる。このシースルー裏蓋&メンテで5万円ほどでしてくれる工房があるのだそうだ。IWCでのメンテ代だけより安くてお得な楽しいプチ改造。
そしてこちらはN氏所有のバセロンのアンティークムーブメントを、吉祥寺の「マサズパスタム」さんに持ち込んで組上げたという素敵な時計。素晴らしい。ダイヤルのやれ具合(エージング)がまた味わい深い。
お金さえ出せば手に入れる事が出来る価値ではない、モノ一つ一つに思い出とセンスが加わった時、モノはその人にとって特別な宝物になる。そんなモノたちをこれからも収集しつづけるために、ライターN氏はこれからもモノについて書き続ける。モノに対して深い愛情持ち続けて。
Le Bonheur (21:17) | コメント(3)
Comments
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これらのアンティークは,確かに個性的ですね。他方,雲上ブランドの時計の海で溺れてみたいです。
Re: orennge さん
私は現行品の雲上ブランドの時計を欲しいとは思いません。もしもらえるならそれを売って欲しいアンティーク時計を入手するでしょう。でも私はあと数本で時計は十分。あとは見て楽しみまーす。
ル・ボナー松本 -
TOEIのランドナーは大学の先輩が乗っていたので、見たことがありますが、
ルネ・エルスは見たことすらありませんね。
ネットで調べてみると、当時、輪行のランドナーとして有名だった、
「クイックエース」のアルプスも廃業したようですし、
鳥山新一先生の東京サイクリングセンターも廃業のようです。
ま、フィルムカメラがなくなっていくようなものですけど。
Re: ひろなお さん
ひろなおさんが自転車にお詳しいとは、前回来店されるまで知りませんでした。ルネルスは日本に輸入された台数も少なくて、現在ではコンディションの良い中古で100万オーバーが当たり前のようです。他の自転車道探して行く事にいたします。
ル・ボナー松本
ルネ・エルスとTOEI(もと上野、現在、埼玉)をセットで刻み込んでください。
ちなみにルネ・エルスは、もう工場・店舗をたたんだはずです。
ついに、冥府魔道にはまりましたね!
Re: taka さん
ルネルスが手に入れられそうでした。しかし世の中そんなに思うようにいきませんでした。ますます面白いと思いました。もしルネルスを手に入れられていたら、takaさんの悔しがる顔をまず思い浮かべました。
ル・ボナー松本