ル・ボナーの一日

2008年初めての独立系鞄職人の独り言

2008年02月15日

%EF%BC%92%EF%BC%8C%EF%BC%91%EF%BC%95%E9%95%B7%E8%B2%A1%E5%B8%83%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E4%B8%AD.jpg やっとめどが立った革小物を作っていただく職人さん。これから順次作ってもらいます。 私はその職人さんに作ってもらう長財布のサンプルを作っておりました。ついでに何個かお店に並べる品も一緒に作りました。あとコバを磨いて念を入れれば出来上がり。職人さんに作っていただく前にお店の品が売れたらいけません。エレファントやクリスペルカーフ(小物を作る大きさはまだあります)で作って展示します。値段が高いから簡単には売れないでしょう。 ル・ボナーの革小物へのこだわりはコバをヘリ返さずコバの切った部分を磨くこと。 それと限界まで薄く内側の革を割ってそれでいて丈夫に作る工夫をすること。 そのこだわりを理解してやっていただける職人さんは本当にいなくなった。そんな面倒くさい仕事しなくても、得意のヘリ返しで内側合皮や生地の革小物で十分いっぱい仕事がある。 従業員がいた頃は工房内で革小物も作っていたけれど、現在二人になったル・ボナーのお店に小物を充実させるには、そんな私たちのこだわりを面白いと思っていただける職人さんが不可欠なのであります。そんな職人さんがやっと見つかったぁ~!。どんどんサンプル作って我儘なこだわりの革小物を作ってもらわないと。 数年前まで作ってもらっていた職人さんは、その技術をかわれて中国の工場の技術指導者として行ってしまった。大量生産で低コストを求めるとアジアに工場を作るのが正解なのだろうけれど、優れた技術の流出は日本国内の業界の弱体化を招いている。 私は独立系鞄職人としては珍しく、色々な立場を経験している。 量産の仕事もやったし、サンプル職人、鞄ブランドの企画生産、大手商社と関わったことも。お店を持ったけれどつぶしたし、ブランド作って卸もした。鞄職人30数年、ここでお店やって15年になりますが、その前15年あまりは色々なことに関わった。 独立系鞄職人は鞄業界の中では隙間産業。大手カバンメーカーに刺激を与える力は残念ながらもっていない。でも鞄作りの一番楽しい部分を満喫できる。収入は別にして。 私は独立系鞄職人として鞄作りしながら、多くの人たちと関わりながらやっていきたいと願っている。 いいモノを作ろうとする職人さんやメーカーの人たちと一緒に鞄作りしてゆきたい。 そこから日本の中で豊かなモノ作りの出来る方法を生み出すことができれば、なんて素敵だろう。 自分自身が作ったモノだけというこだわりより、多くの”かたち”を創造出来た方が楽しい。 多くの”かたち”を多くの同志と一緒に作り、私たち2人は特別なモノ作りをする時間を作りだそうとする。 その両方を楽しくバランス良く。 今日平日だのに多くのお客様に来ていただいた。フルオーダーを休止してから久しい。私たちが創造した”かたち”を支持していただけることがうれしい。これからも多くの同志に助けてもらいながらル・ボナーの”かたち”を沢山登場させてゆきたいと思っています。

Le Bonheur (21:07) | コメント(3)

Comments

  1. たなか より:

    ちなみにお値段を訊いておきたいのですが、
    クリスペルカーフや、エレファント
    の価格を教えてください。

  2. たなか さん
    クリスペルが税込47,250円 エレファントが税込71,400円です。詳しくは次回のブログで。

  3. たなか より:

    残念でした。
    バッグと時計のベルトとお揃いなんていいかなあと思ったもので。

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