ル・ボナーの一日

19本のモンブラン146

2009年07月18日

万年筆くらぶ会長の中谷でべそ氏は良い人だ。 400人あまりの会員を擁する万年筆くらぶにおいて、でべそ氏を悪く言う人はいない。 一癖も二癖もある人物多いこの親睦団体において、皆に良い人だなんて思われているなんてこと自体変だ。きっと二つの顔を持った悪党に違いないと古山万年筆画伯は言う。 そんな風に冗談で言う人はいても、本気で会長を悪人だなんて思っている人はいない。 そんなでべそ会長のところに雑誌の取材があった。内容はマニアなモノ好きたち伝々。 その一端を紹介して欲しいと頼まれて、そんなに多く万年筆持ってないし紹介するほどの突出した部分はないなぁ~と会長真顔で思っている。 でもモンブランの146は何本か普通の人より多く持っているからと 初めて持っている146を全部並べてみた。 そしたら同じ146を19本持っていることに気付いた。その内テレスコープ吸入式が6本。 この方種類多くは持たないけれど、気にいった万年筆は同モデルを多本数所有するタイプ。 有名な「4本のヘミングウェイ」の話でも分かるように。 やはり私のような万年筆新参者と違って少ないというレベルが違う。 そんな中谷でべそ会長に、今私は50年代のモンブランにぞっこんで、特に146テレスコープに夢中である事を伝えた。そして会うたび再三会長の所有する6本の146テレスコープの内の1本を譲って欲しいと言い続けた。しかしどれも可愛い愛すべき万年筆だから譲れないとやんわり断られ続けたボンジョルノでありました。 今回東京でのパティーにおいて、でべそ会長と半年ぶりに再会した。 KENSAKI鞄2号でべそ仕様をもう一つ作って欲しいと言われた。 でべそ会長は革鞄好きとしても相当なお方だ。私は冷たい笑顔で断った。 そうするとでべそ会長苦渋の決断。146テレスコープを譲るから作って欲しいと。 その交換条件を断れるほどストイックな職人ではないボンジョルノ。 やりましたぁ~!。2本目のモンブラン146テレスコープ吸入方式。 %E7%94%BB%E5%83%8F7%20152.jpg そしてそのモンブラン146テレスコープを早速送って頂いた。 50年代に生産された146テレスコープは146唯一のセルロイド軸。 50年代のモンブランの柔らか書き味にぞっこんのボンジョルノでありますが、中でも146の柔らかなれどしっかり支える懐の深さのようなものを感じる書き味が特に好きであります。 1本ユーロボックスの藤井さんから入手したばかりだけれど、これは極太インキドバドバのインクフローの素晴らしいテレスコープ吸入方式の特性を最大限伝えるためのモンスター。普通に書ける146テレスコープも欲しいなと思っていた。持っている他の万年筆で十分なのは分かっているけれど。 %EF%BC%97%EF%BC%91%EF%BC%97%E3%83%9A%E3%83%B3%E5%85%88%EF%BC%92.JPG 久保さんに研いで頂いたという中細のペン先のテレスコープの書き味は深い。 柔らかさとしっかり感が高次元でバランスを保った大人の書き味。 でべそ会長が求める書き味は、あくまで控えめでしかしいつまでも余韻を残す。 %EF%BC%97%EF%BC%91%EF%BC%97%E3%83%9A%E3%83%B3%E5%85%88%EF%BC%91.JPG 天邪鬼な万年筆初心者の私は最初モンブランを拒絶していた。 しかし50年代のモンブランを知ってしまってからもう6本。 でべそ会長に苦渋の決断を強いて得たこのモンブランの中細のペン先の146テレスコープ吸入方式は、普段使いとしてバンバン使っていく事にいたします。それにしても深さ伝える書き味だなぁ~。 インキは初めてのモンブランのロイヤルブルーをP&Mさんで早速入手。 万年筆はやはり面白い。多くの愛ある万年筆趣味な人たちに支えられながら、私の万年筆はまだ増殖中。 %E7%94%BB%E5%83%8F7%20161.jpg

Le Bonheur (07:03) | コメント(2)

Comments

  1. pretty-punchan より:

    先日、東京の友人が大切に持っている146テレスコープをしげしげと眺めましたが、やはり今のモンブランにはない雰囲気というか風格があり、改めて感心しましたが、あまりにも柔らかいので実用には向きません。それでも彼は殆ど肌身さず持っています。変なの。
    やはり筆記具は使って楽しむもの。この実用に向くという146テレスコープを試させてくださいね。それにしても、万年筆は休憩すると言ってませんでしたっけねえ。
    Re: pretty-punchan さん
    向こうから来るものは拒みません。種を蒔いて芽が出たものも拒みません。大らかな心で受け止めるボンジョルノでありましたぁ~?。
    でも良いですよ、この146テレスコープ。貴殿のお持ちの146を繊細な味わいにしたような書き味であります。
    是非来店してお試しあれ。
                              ル・ボナー松本

  2. たかくん より:

    あーあ、とうとう計画通りに事が進んでしまいましたか(笑)
    こちらの146は、胴体の樹脂にクラックが入り修理行きとなり、
    無事に(?)モンブラン心斎橋店で小野さんの手により、
    徹底的に調整されて戻りました。ガチガチでスベスベで、あとはお楽しみです。
    Re: たかくん さん
    お久しぶりですね。
    筆圧下げる工夫しましょうよ。146が可哀想。
    でもって昨日現行の146が増殖しました。人徳と言いましょうか、図々しい性格ゆえにでありましょうか。
    これで急に146が3本になってしまいました。
    もう万年筆はいりませんなんちゃって~。
                             ル・ボナー松本

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