ル・ボナーの一日
レジェ・ボストン製作中
2007年05月13日
現在レジェ・ボストン作っています。今回は店頭に並べる分までは作れなくて、注文のシュランケンカーフのチョコ色一個とデッドストック革のイタリアを代表するクローム革のタンナーのフラスキーニのパペーテ・カーフのグリーンの二個、合わせて三個作っています。
現在フラスキーニの作り出すカーフはヨーロッパブランドの意図に沿った魅力のない革を作るようになってしまって全然興味はなくなったけれど、このパペーテという革を作っていた頃のフラスキーニは本当に魅力的なタンナーでした。
その頃のフラスキーニが作るクロームのカーフ革は、イタリア的美意識が結実したモノでした。ねっとりとしていて柔らかく、それでいてよくなめされた革。
なめしの技法も独特で、皮を腐らない革に変える工程をなめしと言いますが、その時クローム液に漬けるのですが、そのピット槽のクローム液は交換することなく付け足し続けて使っていました。まるでうなぎのタレのように。この技法はその当時のフラスキーニしかやっていなかったやり方でした。
この技法を使ったフラスキーニの革は、独特のねっとり感を生み出す代償に独特の異臭を持った革です。裁断する時その刺激臭が切り口から出てきます。
今のフラスキーニはもうそんな個性的な革は作っていません。うなぎのタレのようなピット槽も取り壊したのではないかと思います。
古き味わいのあるイタリアンカーフは新しく手に入れることはもう出来ません。パペーテのグリーン色はこの二個のボストンバッグでもう終わりです。
ボストンの部品は完成しました。製作工程の3分の2は終わり、あとは本体を組み上げて完成です。それにしてもフラスキーニというタンナーは、良い革作っていたなぁ~。
フラスキーニのデッドストックのクローム革は本当に大好きな革です。
Le Bonheur (22:13) | コメント(0)
Leave a Comment